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#9 運命

last update Last Updated: 2025-03-28 19:00:00

 あ、そうそう名前名前!私の今世の名前は|由良(ゆい)!神崎 由良(かんざき ゆら)だよ!ついに漢字もわかったんだ!おじいちゃんが「わしが考えたんだぞ~。」ってデレッデレの顔で半紙に書かれた私の名前を見せてくれたからね。

 それでは私が温めていた計画を発表しようじゃないか!その名も「おじいちゃんおばあちゃんっ子計画(以下例の作戦)」だ!計画名にもある通り祖父母に全力で媚びを売るのがこの計画の肝だ。今はまだお母さんがいるからいいけど、いなくなっちゃったら頼れる大人が祖父母以外にはいなくなるからね。例のガチャガチャの結果的にも今の雰囲気的にも父親のことを頼ることは出来ないだろうし、無力なこの身体でもできることは今のうちからやっておかないとね。

 なんでこんなに打算ありきで媚を売る気満々なのか。それは全部、私の前世からの夢であるVTuberになるための初期費用をどうにかしておじいちゃんたちに工面してもらうため。優しそうな人たちだし普通に生活する分には大丈夫だと思うんだけどね。さすがに機材もってなるとね。一通り揃えるってなると高ぇのなんのって……。でもまぁ、とりあえずパソコンさえあれば何とかなる……かな?たぶん大丈夫。きっとおそらくメイビー。

 日常生活で使うならともかく配信で使うとなると要求されるスペックが高い。その分コストがかかってしまう。となるとやっぱりそれ相応の好感度をあらかじめ稼いでおいて、可愛がってくれているおじいちゃんたちにお願いするのが1番なんだよね。

 というわけでおじいちゃんおばあちゃんっ子ルートに入るために好感度稼ぎ中。

『結衣ちゃ〜ん!来たわよ〜ばぁばだよ〜!』

『じいじだぞ〜!』

 よし、おじいちゃんおばあちゃんが来た!笑顔笑顔!ちょっと見てらんないくらいおじいちゃんがデレデレでキツイ。だけど、そんなことで笑顔を片時も絶やしたらあかんでぇ!今は夢のために耐え忍べ私!赤さんの笑顔はおじいちゃんとおばあちゃん特効なんや!孫煩悩にしてしまえばこちらの勝ちやで!ていうかなんだよこの似非関西弁は……。

「キャッキャッキャッ!」

『結衣はほんっとうに可愛いなぁ〜!』

 よぉ〜し!お、定番のアレしようとしてるな!おじいちゃんがゆっくり近づけてきた人差し指を〜ギュッ!

『わ、わしの指を握ったぞ!ばぁさんばぁさん!どうだ!羨ましだろう!』

 ふっチョロいな
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  • 憧れに手を伸ばせ   #51 そうだグッズを売ろう!

    「みんな〜こんゆら〜!今日は作業配信をしていくよ!ぬなめネキ以外にも野生のプロがいるかもしれないからね!公式が最大手であるためにもみんなには負けてられないからさ!私、めちゃくちゃ頑張っちゃうからね!」ぬなめネキ――推しのライバル……いい!でも俺の存在がノイズになったり……うーん――有名ボカロP様が自分の作業サボって見てる配信で葛藤してらっしゃる。手はちゃんと動かさないとYouTube閉じに行きますよぬなめさん。――あ、マネさんか……お疲れ様です。――作業配信かぁ〜前回何してたんだっけか――たしかリスナーのアイコン描く企画――あぁ〜ね「今日は色々同時進行でやっていこうと思ってますね。とりあえず切り抜き動画を作ってみようかと。飽きたら即売会で配布する用の原稿作ってそれも飽きたら配信のOPとED作ってみたいな?あと、ぬなめネキはさっさと仕事を終わらせてもろて。」――え?その量をこの枠でやるの?何時間やるのさ――ガチめに作業量多くない?――もしかしなくても長時間配信?――そんな長時間配信なんて大丈夫なの?――よくないって!まだ幼くて体力もないのに!「安心したまえ諸君、裏でやってそこそこ進んでる。だから長くても六時間くらいかな?うちじゃできない作業もあるから、あかねママの家で機材借りる予定。お金が貯まったら自分用に買いたいんだけどなかなかね。あ、そうだ!資金調達がてらグッズでも作ったらみんな買ってくれたりする?」――ほう、言い値で買おう!――上に同じく――あったりめぇだろ!――おじさんはなぁ!小さい子にお小遣いをあげたい生き物なんだよ!――お姉さんも小さい子にはお小遣いをあげたいです!――しれっと若く見せようとしてて草――おいコラ女性に年齢の話題は……――あ゙ぁん?「前にちょろっと調べてみたんだけど結構種類あるんだね!作り手側はお金払わなくていいしデザインだけ出したらあと勝手にやってくれるんだから便利な世の中だよね。参考までに聞きたいんだけど、どんなの欲しい?」――バッグにアクキー付けて学校行きたい!――アクスター部屋に飾りたい!――痛バ作りたいから缶バッジ欲しい!種類いくつかあると痛バ作りが捗るから出来れば種類も欲しい――タペストリー欲しーい――複製画入手できたら祭壇作るんだ♪「複製画!?まぁいいや、おっけーわかった

  • 憧れに手を伸ばせ   #50 やる気充填完了!

    「え?は?え?はぁぁぁぁぁ!?嘘でしょ!?え?ほ、、ほ、本人!?」ぬなめ@一般通過ボカロP 7時間前邪魔しちゃ悪いかなってYURAちゃんの枠でコメントしてなかったけどこの前作業終わりに配信覗いたらコメ欄動いてなかったからサブ垢使って初コメしたらリスナーに秒でバレたよねwww|YURA@みんなの妹ご、ご本人だったんですか!?すいません全然気付けてなくて!私、失礼なことしてませんでした? みんな教えてよぉ〜!酷いよォ〜!全然気付けないとか私めちゃくちゃ失礼じゃない?うわぁーーん!!新人VTuberごときが配信もやってる大物ボカロP様に無礼をしてしまったァァァァァァ!!うわっ!リプ返ってきた!ぬなめ@一般通過ボカロPニャハハハハッwwwほんとに気付いてなかったんだ!まじウケるんだが!あの垢の時はただのヲタクとして行ってるから気にしなくていいよ!まぁ本垢だとしてもただのオタクなボカロPだから普通に接してくれてもいいんだけど。あ、YURAちゃんにサプライズあるから楽しみにしててね! 有名ボカロP様相手に普通に接しろって?無茶言わないでよ!有名ボカロP様本人の希望だし難しいけど善処はするつもりだけども!ぬなめPとしてのアカウントは難しいかもだけど、せめてぬなめネキの時くらいは普通に接しよう!にしても……サプライズ イズ 何? ま〜さか「YURAをイメージして曲作った!」なんて言われるわけもないだろうし。ぬなめさん仕事に追われていっつもYでヒーヒー言ってるのに……。マネージャーさんに怒られてないといいけど。いや、十中八九怒られてる。間違いない。 他のことしてる余裕ないはずなのにサプライズか。予想ができないなぁ。めっちゃ楽しみだぁ〜! いや、違う違う!そんなソワソワしてる場合じゃなかった!作業作業!同人誌描きたいし、手描き切り抜き動画も作りたい。MADも作りたいし、OP&EDの別バージョンも作りたい。あと他にも色々やりたいことあるし! 理想は公式こそが最大手!リスナーにぬなめPがいるんだし他にもいるかもしれない!負けてられないな!本職さんに技術で勝てるわけがないし、時間と手間をかけてクオリティを上げていかねば!そうと決まれば作業するぞ!「バンッ……うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」「由良〜?机バンバン叩いちゃダメよ〜?興奮してるのかもしれないけど振動がこっち

  • 憧れに手を伸ばせ   #49 大ピンチ

    ――急上昇から来ました〜ってなんです?この惨状は 「枠に来て下さりありがとうございますぬなめネキさん!あ、初投稿動画にコメントくれた方ですよね!是非是非ゆっくりしていってください!リスナーさんに媚びたら動揺したのかキュン死したのかコメント欄が急に動かなくなっちゃって……。」 ――え?一回コメントしただけなのに認知されてるんですか!?てかキュン死って…… 「そりゃ覚えますよ!コメントしてくれる人はまだまだ覚えていられる人数しかいないですしね!は?キュン死?ってなりますよね!私も意味わからないですもん!新規さんも困惑しちゃってるんで、死んでる人たちもそろそろコメントに戻ってきてもらっていいです?」 ――ほんとにコメント欄固まっちゃってますね 「環境の問題とかならまだ解決のしようもあるんですけどね。はぁ……おにぃたまとおねぇたまが話してくれないから私寂しいの。」 ――いや、だから不意打ちのおにぃたまは……_( _×ω× )_ ――不意打ちはやめろと何度言えb……_( _×ω× )_ ――カハッ……_( _×ω× )_ ――俺はお兄ちゃんとして耐えきっt……_( _×ω× )_ ――お、お姉ちゃん……ぐへへ_( _×ω× )_ ――_( _×ω× )_ 「あ、復活した。そして死んでいった。ぬなめネキは無事ですよね?あっち側じゃないですよね?」 ――くっ……危なかったけどギリギリ耐えれた…… ――しょ、初見で耐え切るだと!? ――こ、こいつ……強い! ――ぬなめネキって何もm……あ! ――はいそこ〜余計なこと言わない! 「へ?ぬなめネキさんって有名な方なんですか?あ、そういえばボカロPにぬなめさんって方いましたよね!」 ――Σ(=ω=;)ギクッ ――ぬなめネキ、もう諦めるんだ ――年貢の納め時ってやつやね ――あ、あの……ここから入れる保険とかって! ――ない ――ねぇよ! ――あるわけないやろ ――ぬなめニキ、もう無理だよ 「さすがに私なんかの枠にいるとは思えないですし、ぬなめさんの有名な古参ファンだったりするんですかね。」 ――おっとぉ?流れ変わったな ――う、うんそうなんだよね。俺がぬなめPの最古参だから界隈の中でちょっぴり名前知られてる的な? ――い

  • 憧れに手を伸ばせ   #48 時よ止まれ

    「YURAちゃんの雑談配信!はーじめーるよー!と、いうわけで始まりましたYURAちゃんのYURAによるYURAのお兄ちゃんお姉ちゃんのための雑談配信!なんか話さなきゃいけないことがあったような気がしますが、今ちょっとド忘れしちゃったので思い出すまでは質問箱を漁りつつ適当に話していきたいと思います!」――不意打ちのお兄ちゃん呼びは良くn……_( _×ω× )_――ちょ、不意打ちはやm……_( _×ω× )_――カハッ……_( _×ω× )_――俺はお兄ちゃんとして耐えきっt……_( _×ω× )_――お、お姉ちゃん……ぐへへ_( _×ω× )_――_( _×ω× )_――あれ?今来たんだけどみんなは?――_( _×ω× )_――同じく今来たんだけどコメ欄の流れ遅くね?――危ない危ないあまりの尊さに死ぬところだったぜ――何があったの?教えてエロい人――枠始まる→唐突なお兄ちゃんお姉ちゃん呼び→死――なるほど理解――大事な場面を見逃したのを悔やむべきか生きて配信を見れそうなのを喜ぶべきか……「ゲティスバーグ演説のパロディに誰も突っ込まない……だと?これは深刻なツッコミ不足ですね。あかねママでも巻き込んでツッコミさせようかな……」――ツッコミ?無理です先に死んでしまいます――その途中にお兄ちゃんとかお姉ちゃんとか言うのが悪いんよ(いいぞもっと言って!)――リスナーを舐めるなよ?あれを聞いて意識を保っていられるようなやつはここにいない!――禿同――また髪の話して!――もっと普段からお兄ちゃんお姉ちゃんって呼んでくれたら俺らも耐性ができてツッコミできる気がする!――↑それだァ!――おまえ……天才か?「ねぇね、にぃに!だーいすき!」 ちょっとしたイタズラのつもりだったのに……。それがまさかこんな結果になるだなんて思いもしなかった。リスナーたちにとって銃弾にも等しいその言葉。それが今放たれてしまった。 その結果が……いま目の前で起きているコメント欄の停止だった。「あの……君ら耐性なさ過ぎない?私生活とか大丈夫そ?道端で突然鼻血を吹き出しながらぶっ倒れたりしてない?気を付けなよ?普通に不審者だからさ。聞きたくないよ?君らの不審者情報とか。おーい!もしもーし!みんな生きてる〜?」 コメント欄が再び動きだすまで残り…

  • 憧れに手を伸ばせ   #47 忘れよう!うん、それがいい!

    「あのさ、一旦ね?一旦なかったことにしない今日の配信。あまりに内容がすぎる。」――そう……だな――俺らは何も見ていない、それでいいか?――誰がやるかあんなクソゲー――ワタシナニモミテナイ――お、おう……どんまい――想像の数倍酷かったな「みんな、ありがとね。この配信はアーカイブを残さないことにします。それとこの配信に限り、切り抜きを禁止させていただきます。ご協力お願いいたします。それじゃあ、おつゆらでした〜!」 マイクよし、ようつべ君よし、パソコンよし、全部閉じたな。精神的に疲れてる時こそ入念なチェックしなきゃだからね。ふん、ふん、ふん。大丈夫そう……かな? 「ふぅ……なんかめちゃくちゃ疲れた。今日は作業する気にもならないしとりあえず寝ようかな。」◇◇「ふわぁ〜眠っ……昨日何もしないで寝たし配信内容の振り返りだけしちゃおうかな。」  結局昨日どんな感じだったっけか。まぁ確かアーカイブは公開してないけどデータはあるしそこら辺は見ればわかるか。 あ、アーカイブ間違って公開設置になってたりしてないよね?ふぅ……それは大丈夫そうだね。マジで焦った。(数分後……) なんだあのクソゲー!見れたもんじゃないよあんなの!配信内容グダグダだし!何をどうしたらあんな死ぬかバグるかしかしないゲーム配信になる訳?BGMもだっせぇしよぉ!配信のノリというか流れというかがあったからリスナーのみんなもギリ一緒にいてくれたけどあんなもん誰がアーカイブ見んねん!ゲーム配信と言えるのかも怪しいじゃねぇかよぉ! あの終わりきった配信の空気感を変えるためにも早急にまともな配信をするべきだよね……視聴者参加型のゲーム大会とかはベタだけどグダることもなさそうだしいいかも!次はちゃんとよく分からないゲームじゃなくて天下の〇天堂様のゲームをしよう。 そうと決まればちゃんと配信に関してのルールとか確認しておかなきゃだね!まぁ収益化まだだし大して気にするようなものはなかった気がするけど……「由良〜朝ごはんできてるよー!」 あ、おばあちゃんだ!今日は卵かけご飯の気分だなぁ〜。さてさてさ〜て、朝ごはんなんだろう! 「はーい!今行くー!」 嫌な記憶なんて寝てご飯食べたら吹き飛ぶのだ!ごっはん〜♪ごっはん〜♪ごっはっん〜♪今日〜のごはんはなんだろな〜♪

  • 憧れに手を伸ばせ   #46.5 独白①

     わしは二度も同じミスをした。一度目は二人が婚約の挨拶に来たあの日。二度目は娘である由佳が由良を出産した後にあの男が由良に向ける視線を見たあの日。 今思い返せば兆候はあったし、あの男の行動に違和感を覚えることもあった。冷静に分析すれば見抜けたはずだった。他のものなどどうでもいいと言わんばかりの由佳への異常な執着。そして……由佳の関心を奪う由良に対する敵愾心。わしが気付いていれば何か変わったかもしれない。もちろん何も変わらない可能性もある。 ただ事実なのは、わしが違和感に対して何もしなかったこと。その後、あの男が由良を捨てたこと。 今わしがあの子を大事にしているのも可愛がっているのも全部あの日の間違いの贖罪なのではないかあの子に娘を重ねているのではないか。そんな風に思うことがある。 もし自分の行いの理由がそうなら娘にもあの子にも失礼なことだろう。あの子を見ているようで娘を見ているだけなど許されることでは無い。あの子は娘の代替品ではないし、自らの罪悪感を解消するための都合のいい道具でもない。 それは分かっている。分かってはいるのだがそんな考えが頭をよぎる。何をするにも自分が何故それをしたのか、疑ってしまう。一度頭をよぎったその疑念はいつまで経ったも晴れることはなかった。 残された時間はもうあまりないというのに何をウダウダと悩んでいるのだろうな。そんなことを考えている時間などないというのに。わしはあの子の祖父として、育ての親として何ができるのだろうか。 あの子の成長を見続けられないのはちと悔しいがこれも天命。受け入れるしかない。わかってる。頭ではわかっているんだよ。 愛する孫に、子供たちに。そして、愛する妻に。わしに何ができるのか。何を残せるのか。そんなふうに考えると頭が真っ白になる。 由佳よ、わしは不安で不安でしょうがないのだ。死ぬことなんて怖くないと思っていた。死ぬその瞬間まで今を一生懸命生き続ければ死への恐怖なんてなくなると思っていた。 だが、今のわしは臆病者だ。怖く怖くて仕方がない。愛する者達に触れられなくなることが、言葉をかけられなくなることが、いつか思い出されなくなることが。 強いなぁ、由佳は。最期の瞬間まで由良のために強い母親であり続けた。愛を伝え、前を向かせ、あの子支えであり続ける。それがどれだけ難しいことか。 わしにもお前と同じ

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